実践的な賃金理論

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従業員1人あたりの賃金は?

事業主としてもっとも頭を悩まされるのが賃金ではないでしょうか。

人件費を抑えたいという経営者と、正当な権利を主張する労働者の間では、しばしばトラブルが起こります。そのようなトラブルを未然に防ぐために必要なのが、適法・適正な就業規則です。

現在の日本の賃金例を参考に、就業規則を見直してみましょう。

業態・業種別1ヶ月の賃金例(単位:円)

  事務系 製造系 10~49人規模 50~99人規模
18~19歳 180,700 170,761 178,995 180,743
20~21歳 185,190 179,191 187,220 194,872
22~24歳 202,204 207,730 215,910 214,455
25~29歳 249,205 237,981 248,094 246,173
30~34歳 313,053 277,464 295,970 295,848
35~39歳 383,590 317,271 354,681 338,840
40~44歳 446,701 362,791 398,228 387,246
45~49歳 485,448 402,449 430,976 424,156
50~54歳 508,546 428,961 435,666 456,363
55~59歳 506,822 440,399 425,316 441,723
60歳以上 434,402 371,198 333,515 322,964

(東京都労働相談情報センター「中小企業の賃金・退職金事情 平成20年版」より抜粋)

従業員の生活費を考える

経営者は、従業員の賃金を決めるにあたって何を基準に決めていけばいいのか? 難解な理論などはさておき、より身近な例から考えてみましょう。

CASE1 働き盛りの従業員の賃金は?

中高生の子どもが二人
奥様はパート主婦で扶養範囲内(108万円以下)の収入あり

これは、一般的な家庭の例です。この家庭の大黒柱である夫を雇うとき、この従業員に支給する賃金はいくらが妥当でしょうか? この家庭で、贅沢も貧しさもなく、ごく普通に生活していくための生活費です。

実際に該当する年齢の労働者に尋ねたところ……
東京では40万円、福岡では35万円という回答がもっとも多く得られました。

CASE2セカンドライフを送る従業員の賃金は?

60歳前後の夫婦
子どもは成人して二人暮らし

こちらも、一般的な夫婦二人暮らしの例です。
実際に該当する年齢の労働者に尋ねたところ……
東京では35万円、福岡では30万円という回答がもっとも多く得られました。

経営者がとるべき選択は?

生活感覚は人それぞれですが、この金額を平均値とした場合、福岡でCASE1では35万円を、CASE2では30万円を支給すれば妥当であるということになります。もし、CASE1の従業員が40万円を受け取っていた場合、差額の5万円は言わば役職手当になります。

ここで経営者として考えるべきなのが、「その従業員は、5万円の役職手当に見合う働きをしているかどうか?」です。もし、相応しい働きをしていない場合、選択肢は2つあります。

1.賃金に仕事を合わせる→課題やノルマを与え、業績を上げさせる
2.仕事に賃金を合わせる→賃金を引き下げる

貴社の業績や景気によりますが、多くの場合は賃金を「上げる人」「下げる人」の両方を作り、自社内でバランスをとっていくことになるでしょう。この場合の指標となるのが就業規則であり、また社会保険労務士による客観的なアドバイスなのです。

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